オーロラとの邂逅
夜の寒さが静かに肩にのしかかる。まるで音のないマントをまとったかのようだ。疲れた足取りで家路に着くと、街灯は淡い黄に輝き、冬の夜特有の静寂が空気を満たしていた。日々は音もなく流れる川のように、波一つ立たず過ぎ去る。しかし、ふと顔を上げた瞬間、世界はまるで違うものになっていた――夜空に、ゆっくりと、静かに、夢のような光が漂っていた。

私は一瞬、呆然と立ち尽くした。疲労のせいの幻覚か、あるいは馬鹿げた考え――「まるで、マリファナの幻覚を見ているのでは?」と。しかし、そんなはずのない、遥か北の極地でしか見られないはずの光景が、ここに現れていたのだ。
指先で冷たいカメラの金属を感じながら、衝動に駆られてシャッターを切った。長時間露光で、この信じがたい瞬間を映し出すために。写真には、青い幽玄な光と、緑の微かな輝きが交錯し、薄紫がそっと滲んでいた。それは、音なき嵐のようであり、誰も聞いたことのない童話の一節のようでもあった。

その後、山奥に彷徨う友人に電話をかけ、興奮気味に告げた。「オーロラだ。見に行かないか?」
オーロラを追って
我々は倦怠を捨て、真夜中の静寂を借りて、街の喧騒や人工の光から遠く離れた谷へと車を走らせた。夜空に浮かぶオーロラは、天からゆっくりと流れ落ちる銀河のようであり、また聖なる光が大地に降り注ぐかのようでもあった。青の冷静、緑の生命力、紫の神秘が織りなすその光景は、他に類を見ない宇宙の絵巻であった。激しい嵐の如く、また同時に詩人が描く柔らかな夢のようでもあった。
他の人々は、数十万もの費用をかけ、極北の荒風雪を乗り越えなければ、この夜に出会えないと言う。しかし、私たちはただ仕事帰りの夜に、偶然にも奇跡と出会ったのだ。その光は、遥か彼方の太陽からの嵐によって生じ、地球の磁力に引かれ極地へと落ち込んだ。帯電した粒子が空気と摩擦し、多彩な色を放つ――まるで時間のかけらが風に散るかのように。
私は再びシャッターを切り、この全てを記録に残した。たとえ一瞬の光影であっても、その記憶は深く脳裏に刻まれた。いつの日か、この夜を振り返るとき、その奇跡のような瞬間は今もなお鮮明に蘇るだろう。まるで、夜空に浮かぶ一筋の微かな光が、永遠に輝き続けるかのように。

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