VIAカナダでロッキー山脈を越える
カナダ国鉄(VIA Rail)の列車に乗り込み、バンクーバー(Vancouver)を出発する。窓の外に広がる景色は、都市の喧騒から静寂へと変わっていく。針葉樹林が列をなし、遠くには雪を頂いた山々がそびえる。列車は白銀の世界へと進んでいく。

ロッキー山脈を抜けるルートは、まさに冬の絵画のようだ。雪に覆われた針葉樹、渓谷を流れる凍った川、そして霧がかかった湖。風景はゆっくりと流れ、目の前を通り過ぎるたびに、その美しさに息をのむ。外は灰色の雲が広がり、細かい雪が静かに降り続けている。列車の車輪がレールを刻む音と、微かに聞こえる暖房の作動音だけが響く。
ジャスパーでちょっと休憩
ジャスパー(Jasper)に着く頃には、雪がさらに深くなっていた。山々に囲まれたこの小さな町は、まるで冬の童話の世界。雪の積もった屋根、静かに佇むカフェ、遠くにはまだ煙を上げる蒸気機関車のような白い息。ここでしばしの停車時間を過ごし、静けさに包まれた町の風景をカメラに収める。
道中の景色
再び列車に戻り、ロッキー山脈を抜ける。日は徐々に沈み、空は青から淡いオレンジへと変わっていく。雪原に広がる夕暮れのグラデーションが、車窓を彩る最後の贈り物のようだ。長い時間をかけて、列車はついにエヴァンスバーグ(Evansburg)に到着する。そこには広がる静かな雪原と、深く冷えた夜の空気が待っていた。
30時間の旅。移り変わる景色と、時折訪れる静寂。そのすべてが、旅の記憶の中に深く刻まれていく。

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