僕はダメだけど、逃げろ

僕はダメだけど、未来を見つけた あの日、…
僕はダメだけど、未来を見つけた あの日、…
キッキングホースに浮かぶ雪 空は晴れ渡り…
ルイーズ湖へ 車輪は、静かに曲がりくねっ…
春の訪れとともに目覚めるバンフ。ゴンドラに乗り、弓川や町の景色を一望し、雪解けの山々が織りなす美しい模様を目にする。ここは四季折々の風景が楽しめるだけでなく、働く機会も豊富な地。私はこの奇跡の地を訪れながらも住む決断をせず、今も心に残る後悔がある。だからこそ、夢を抱く者にはぜひこの地での生活を体験し、その魅力を存分に味わってほしいと願う。
春の訪れとともにKelownaへ向かう道を進み、氷の解けた湖や北へ帰る渡り鳥の姿を目にする。ワイナリーでは若々しい酸味の残る白ワインを味わい、湖畔には静かに佇む豪邸が並ぶ。夜は羊肉ソーセージを堪能し、偶然立ち寄った古道具店でドイツ人店主から蛇腹カメラを譲り受けた。翌日、湖畔で牡蠣を味わい、淡水養殖の試みを知る。手に入れたカメラで旅の景色を撮り、店主へ感謝の手紙を綴る。この町の春は、新たな可能性に満ちていた。
カナダのゴールデンにあるキッキングホース・マウンテンでのスキー旅行を描いた物語。初心者の主人公は何度も転びながらも、その過程を楽しみ、旅の醍醐味を感じていく。ゴンドラから見下ろす銀世界、山頂で味わうホットチョコレートとプーティン、そしてフィルムカメラに収める絶景——旅の一瞬一瞬が心に刻まれる。最後には冬の終わりを感じながら、旅と人生の共通点を見出し、「次の旅では何が待っているのだろう」と未来に思いを馳せる。
冬のゴールデンは、深い雪に包まれ、静寂が支配していた。ワタリガラスの鳴き声と貨物列車の響きだけが、時間の流れを告げる。凍りついた川の下では水が流れ続けるように、この町の歴史もまた消えずに息づいている。百年前、清帝国の動乱により、多くの人々がここで鉄道を築き、そのまま冷たい大地に眠った。雪に覆われた町の中で、私はその記憶を見つめ、春の訪れと共に再び現れる歴史の姿を思った。
僕はカナダのゴールデンにある中華レストランの仕事を見つけ、雪山に囲まれた町へ向かった。しかし、労働環境は約束と異なり、交通も不便で不安が募る。それでも、朝日が雪を金色に染める光景や静寂の夜に心癒され、この時間が特別なものとなった。
エドモントンに初めて降り立つ。刺すような寒風、雪がすべてを覆い、世界は静寂に包まれていた。青年旅館に泊まり、異国の旅人たちと語り合い、遠き故郷の物語を聞く。日曜、教会の扉を開くと、香港からの移民たちの姿があった。彼らの髪には歳月の跡が刻まれている。旅館のそばに台湾牛肉麺の店を見つける。湯気立つスープの香りが、遠い故郷の記憶を呼び覚ます。この街の冬は孤独で深く、時が凍りついたように感じられた。だが、私はここに留まらなかった。冬の記憶を胸に、また次の地へと歩みを進める。